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ぐるぐる将棋生活

将棋教室や道場に通ったり、プロの先生の将棋を観戦したりイベントに行ったり。いち将棋好きの将棋生活の備忘録です。

泣き虫しょったんの奇跡 完全版

今回、棋書ではないのですが読んでみた本がこちら。

泣き虫しょったんの奇跡 完全版<サラリーマンから将棋のプロへ> 瀬川晶司

奨励会を年齢制限で退会し、その後プロ編入試験を経て見事棋士になられた
瀬川五段の自伝です。

先日、報知新聞の記者である北野新太さんが書かれた『透明の棋士』という本を読みました。
こちらはミシマ社の「みんなのミシマガジン」の中のコーナー「いささか私的すぎる取材後記」
の将棋に関するお話をまとめたものです。

連載を読んでいたのであらかじめ分かってはいたことなのですが
どのエピソードもぐっとくるものばかりで、喫茶店で涙をこらえつつ読みきりました。
その本の冒頭と最後に瀬川先生のエピソードが出てきます。

話は変わって、昨年、アマチュア強豪だった今泉健司さんがプロ編入試験を受け、見事に合格し
今年から棋士としての生活を始められているというのは記憶に新しいことかと思います。
まだ見る将棋ファン暦1年にも届かない私は、実はこのプロ編入試験って
ずっと前からあるものだと思っていたのです。

「へーうまいことアマチュアのための制度ができているものだなあ」と思っていたのですが
『透明の棋士』を読んで、実はこの制度は2005年にアマチュアとして
プロ相手に高い勝率を収めた瀬川さんが周りの方の後押しもあって、
将棋連盟に嘆願書を出したところからできたということを知りました。

そこで読んでみた本がこちら。感動すると同時にすごくすっきり爽快気分になる本でした。
瀬川先生の子供時代から、奨励会、年齢制限での退会、それからアマチュアとして
のびのび指す将棋でプロに勝ち続けていき、ついに編入試験制度を勝ち取り
棋士になるところまでが描かれています。
あと「完全版」だとプロに入ったその後のことについても加筆されているようです。

個人的には瀬川先生が5年生のときの担任の先生とのエピソードがものすごくぐっときました。。。
他にもなんといっても小さいころからのライバルの渡辺さん、道場の席主さんや、
ご家族の皆さん、プロ入りを後押ししてくれた皆さんなど周りの人たちの温かさに涙。
きっと瀬川先生のお人柄のなせるわざなんだろうなあ。
余談ですが、将棋にはまる前からニコニコの「棋士人狼」を見ていた私の
瀬川先生に対する印象は「うそをつけない真っ直ぐな人」です笑

あとは棋士総会での議論にかけて、プロ編入試験制度を制定した将棋連盟もすごいなーと。
きっとこの制度をつくるのって想像もつかないほど大変だったと思うんですよね。

それから見る将棋ファン的ポイントとしては、羽生先生、森内先生、深浦先生、屋敷先生などなど
瀬川先生と同年代で現在活躍されている棋士の先生方の小さいころがちょこちょこと出てきたり
豊川先生、中座先生など奨励会時代を一緒に過ごされた先生方との青春グラフィティ的な
エピソードが出てきたりするのも読んでて楽しかったところでした。
瀬川先生が優勝されたときの中学生選手権のメンバーがおそろしすぎる。
あと豊川先生の「それが大事」聴きたい笑

いやーそれにしても将棋界って本当にドラマのようなエピソードが多々あると思うのですが
またひとつすごいドラマを知ってしまった。。。
こうやってまたどんどん好きになっていくんですねー。

瀬川先生の自伝というか、ひとつ小説を読んだような気分になりました。
ちょっとなにかがうまくいかないときに読むと、元気になる本かと思います。